夜の蝉』(北村薫読了。「私」がどんどん女になっていきますねぇ。なんでもないエピソードが、後で重要な伏線として生きてくるのには感心しきり。ちゃんと計算されているだろうに、それを感じさせないさりげなさが小憎らしいほど。


北村作品に出てくるメイン・キャラクターはほとんど例外なく善人ばかりなせいか、そこにちらりと登場する悪意(人だったり出来事だったり)は妙に生々しくて怖い。「私」に邪気が無さ過ぎる気はしますが、そこはそれ、まだお子様だし(笑)。


「ぼたもち」と「おはぎ」の違いくらいは知っていたのに、まさか漢字でそのものズバリ「牡丹餅」と書くとは知りませんでした。無知って恥ずかしい……。